詰め物、被せ物(審美)

 「審美」より大切なことを考える歯科医療のあり方

当院では「審美歯科」としての診療科目を掲げていません。
「審美」よりも重要なことが歯科医療にはある、と考えているのが当院の理念だからです。

その一方で、自分や家族が仮に歯科治療を受けるとしたら、「綺麗に詰めて欲しい」「天然の歯に見えるように被せて欲しい」と望むのは当然のことであるとも考えます。

ここでの「綺麗」や「見た目が良い」というのはどのようなことを示すのでしょうか?
周りの人から「見える」か「見えない」かが、本当に重要なのでしょうか?

 高額な審美歯科治療の落とし穴

学芸大学けいあい歯科の説明風景

以前勤めていた歯科医院で治療をさせていただいた患者さまの治療体験をご紹介させてください。

「審美歯科」を掲げるクリニックで前歯の治療を受けた患者さまが、「前歯の臭いが気になる」「時々オデキができる」といったお悩みを抱えてご来院されました。

治療後の状態を拝見すると、上の前歯6本と下の前歯6本に、某有名プロ野球選手のような真っ白な被せ物が装着されていました。

よく見ると、治療を受けた12本全ての歯は神経が取り除かれており、さらに上下それぞれ6本ずつが繋がった一体型の被せ物になっていました。

レントゲン画像でより詳しい状態を確認すると、根の治療が不完全のまま、被せ物がされており、かつ被せ物が歯に全く適合しておらず段差ができていました。

歯に痛みを抱えている患者さま

今まで何度も腫れを繰り返しており、根を切る手術も上下ともに経験されていたため、手を尽くしても抜歯は避けられない状況に思われました。

「審美歯科」の先生の評判を信頼し、高額な費用をかけ、きちんと通院されて治療を完了されたとのことでしたが、不安を感じ、私が以前勤めていた歯科医院に転院されてきたのです。

高額な治療費をかけた前歯は結局、上下共にマイクロスコープ下での歯周病治療・根管治療などを懸命に行い、最終的には被せものをかぶせて、なんとか治療を完了することができました。

しかし、患者さんが最初の段階で審美ではなく、精密な治療をされていればと思うと残念でならないのです。

 奥歯の健康が前歯を守る!
見えない部分こそ重要な理由

歯型の石膏模型

先ほど紹介した患者さまのように、前歯に問題を抱えている方の多くの方は、奥歯に何らかの問題を抱えていることが多いです。奥歯が噛めなくなることで、前歯に負担がかかり、次第に前歯もダメージを受けてしまう――このような連鎖が多く見られます。

さらに、奥歯の治療は目に見えない部分で行うため、歯科医師にとっても治療がとても難しい部位です。
特に歯科用マイクロスコープがない場合、治療は経験や勘に頼ることが多くなり、不十分な処置が起こりやすくなります。

その結果、虫歯が完全に取り除かれないまま治療が進んだり、詰め物や被せ物が歯にしっかり適合せず、隙間から新たな虫歯が発生するリスクが高まるのです。

見えやすい前歯だけでなく、見えづらい奥歯の健康にも目を向けることが、全体的な口腔の健康を保つために欠かせません。奥歯の健康を守ることが、結果的に前歯の健康も支えるのです。

 「適合」する詰め物・被せ物にこだわる

学芸大学けいあい歯科 マイクロスコープを使用した治療風景

当院では、「審美」ではなく、「適合」にこだわっております。

「適合」というのは、治療のために削った部分に対して、隙間ができることなく、詰め物・被せ物がきちんと合っていることです。

マイクロスコープを使用してきちんと虫歯を削ったところに、ピタッと詰め物・被せ物が合っていれば、細菌の侵入経路が遮断されているので、治療を繰り返すことなく、歯を守ることができます。

これこそが、真の「審美歯科」である、というのが当院の考えです。

近年では、CAD/CAMと呼ばれるシステムを用いて、機械でCR系やセラミック系の材料を削り出し、即日で白い歯が入るという治療も増えて参りました。
「即日・安価で白い歯が入る」という謳い文句もよく見受けられます。

しかし、このような材質を機械で削り出す手法で作成された

詰め物・被せ物は、外れる・割れる・再度虫歯になる…などのトラブルが多く見受けられます。
当院にも、その様な理由で転院される方が後を断ちません。

人が奥歯で噛む力はご自身の体重に匹敵すると言われていますが、保険での白い被せ物はその様な力に耐えれるだけの強度はなく、更に機械で削り出したものは歯科技工士の手で作成されたものに比較するとまだまだ精度が劣るというのが現状なのです。

学芸大学けいあい歯科のプライバシーに配慮した診療室

近い将来には、完全なデジタル化・機械化のもとで、精度高い詰め物・被せ物が作成されることが可能になるでしょう。

しかし、現在のところはまだ、人の手、アナログな部分が必要で、全て機械任せにはできないと考えております。

マイクロスコープ下で丁寧に虫歯を削り取り、しっかりと詰める。その後、精密な型取りをして、腕利きの歯科技工士に精密な詰め物・被せ物を作成してもらい、患者さんお一人お一人の歯にぴったりと合わせていくという過程を重視しております。

そうすることで、再治療を防ぎ、永くお使い頂ける詰め物・被せ物になっていくと考えます。

 患者さまに最適な治療と高品質な仕上がりを目指して

学芸大学けいあい歯科 院長

当院では、一つ一つの治療工程や作成工程を大切にしています。
そのため、どうしても「即日」というわけにはいきませんが、「審美」的にも十分な品質となっております。
どのような詰め物・被せ物が必要かは、患者さんにより異なってまいりますので個々人の状態に合ったものをご提案致します。

小さなお悩みや、不安に思われていること、些細なことでも構いません。いつでもお気軽にご質問ください。
スタッフ一同心よりお待ちしております。

 

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