歯周病、メンテナンス

 歯周病の怖さ

設備

テレビの広告や雑誌でも、「歯周病」という単語を目にする機会が増えていると思います。実際にはどのようなことがお口の中で起こっているのでしょうか?
お口の中は37℃前後で十分な湿度がありますので全身の中でも微生物、細菌などが最も多く存在している場所です。
まず、歯と歯肉の境目(一般に歯周ポケットと呼ばれる部分)に汚れが溜まると、それを栄養源にして細菌が繁殖し、歯垢(プラーク)と呼ばれる生きた細菌の塊が蓄積します。歯茎は体の中でも特に敏感な組織ですので、この細菌の塊によって、歯の周りの歯肉が「炎症」を起こして赤くなったり、腫れたりします。
この段階が「歯肉炎」と呼ばれる状況です。
歯肉炎が進行してくると、細菌の死滅したものと、唾液中のリンやカルシウムが基になって形成された歯石が歯の表面に沈着し、さらに細菌が住みやすい環境が出来上がります。
放置すると、細菌の感染が強くなり、歯を支える骨まで溶かし始めます。歯周ポケットが深くなり、歯がグラグラと動くようになり、最終的には抜歯が必要な状態になってしまいます。
この疾患の恐ろしいところは痛みなどが出にくく、気付いた時にはかなり進行した状況になっている場合が多いことです。
また、さまざまな全身疾患と歯周病とに深い関連があることが、近年注目され始めています。

 全身疾患と歯周病の関係

歯周病との関連を挙げられているものの中には呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病や妊娠などがありますが、中でも糖尿病との関連が深いことが明らかになってきています。
糖尿病は歯周病を悪化させる大きな原因のひとつでもあります。また、歯周病の管理のうまくいっている方はそうでない方に比べて、糖尿病の病状も比較的落ち着いていることが多くの論文でも実証されています。
学芸大学けいあい歯科クリニックではお口の中だけではなく食生活も含めた体全体の指導を行なっています。

 歯周病を防ぐには

メンテナンス

歯周病の多くは、原因である歯垢(プラーク)を除去していくことで、予防し、進行を食い止めることができます。

プラーク対策

歯に付着している白、または黄白色の粘着性の沈着物で、非常に多くの細菌とその産生物から構成されています。プラークはバイオフィルムとも呼ばれていて、強固に歯に付着しており、薬品だけでは除去しにくい状態になっています。そのため、しっかりと歯ブラシ等で除去しなくてはなりません。

日常的な歯磨きと、歯科医院で定期的に歯石除去などのメンテナンスをしていただくことが、歯周病予防には重要なのです。

 歯周病におけるメンテナンスの必要性

ご自身では充分磨けていると思っていても、実際には歯ブラシだけでは不充分な事がよくあります。歯周病を予防するには歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉の境など、かなり行き届いた歯磨きが必要ですが、磨き方にもその人の癖というものがありますので、どうしても磨き残しが出てくるのです。
歯科医院でのメンテナンスの際に、歯科衛生士から磨き方の癖を指摘してもらい、歯磨き指導を受けて、磨き方のクオリティを挙げていくことが、歯周病の最も効果的な予防・治療になります。
また、学芸大学けいあい歯科クリニックでは、歯科衛生士もマイクロスコープを用い、歯石が取れているかを高倍率で確認しております。歯石が確実に取れない限り歯周病が良くなることはありませんので、お時間を割いてメンテナンスに通っている患者様にとって有意義な時間になるような処置を行なっています。

 歯磨き指導通りに磨くために

設備

歯磨きの指導を受けても、時間の経過とともにその記憶が曖昧になり、歯磨きが疎かになりやすいのも事実です。人の記憶とは1時間後には44%しか覚えておらず、1日後には26%にまで下がります。恐らく、その日に習ったことを100%覚えて実践出来る人はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。

当クリニックでは、患者様ごとにどこが磨けていないのか、
歯周病が進行している部分がどこであるか、
図と解説付きの資料をお渡しし、
お家に帰ってからでも忘れる事なく実践出来るようにしています。

また、歯磨き指導の際には、歯科医師や歯科衛生士が、個々の患者様に合った歯ブラシと補助的な清掃用具(フロス・歯間ブラシ等)をお奨めし、ご自身で適切な歯磨きができるようサポートしております。

 メンテナンスの頻度

メンテナンスを受診していただく大まかな目安としては1年に3回~4回になります。ただし、人それぞれ、汚れの付着している程度やむし歯リスク、歯周病の進行度が違います。歯石の付きやすさにも個人差がありますので、もう少し期間を短く設けたる場合や、逆に期間を空けていただく方もいらっしゃいます。
また、かかりつけの歯科医師(歯科医院)を決めて、歯石のつきやすさを継続してみていきますと、どのくらいの期間ごとに定期健診を受ければよいかをお伝えする事も可能になります。

 

Web予約はこちら