「あれ?うちの子供、よく口をポカンとあけている・・・」ふと、そんなことに気づいた際は、お子さんの歯並びに注意が必要です。
季節によっては、花粉症などのアレルギー性鼻炎やかぜ症状などで鼻呼吸がしにくいこともあります。一時的なものであれば、いずれ鼻呼吸に戻れますが、慢性的な鼻炎であれば、耳鼻咽喉科の先生によるサポートも必要ですね。
しかし、なぜ矯正ドクターの口から、鼻の病気のお話がでてくるのでしょうか?
それは、口呼吸が慢性化することで、口腔内に、さまざまな悪影響が出てくるからです。
たとえば、
・小学生でも指しゃぶりをやめられない
・爪をいつもかんで、常に口があいている
・慢性的に鼻炎で、常に口呼吸である
このような状態を長期間放置してしまうと、お子様の口腔内にも悪い影響がでてくるのです。
この悪影響の根本的な原因の一つは、口呼吸の慢性化です。口呼吸をする方は、舌の位置が通常より下に位置にきてしまいます。
通常は、舌が上あごの歯列の大きさを支えているのですが、舌が下がってしまうと、上あごの歯列は成長する際に頬周囲の筋力の負けてしまいます。そうすると、上あごの歯列が狭くなります。また、歯列の形が、U型ではなくV型になってしまうこともあります。もしV型になると、前歯が入りきらずに、機能的にも審美的にも悪影響をおよぼします。
また、口呼吸によって、舌の位置が通常より前方に位置してしまうこともあります。
この場合、上下の歯の間に舌が入り込むことにより、前歯などがかみ合うことがない環境が継続され、萌出途中の歯は、その高さを維持することになります。前歯で細い素麺などを噛めずに、すっと抜けてしまう状態を舌で維持してしまう可能性があるということです。
また、舌の力は、前歯だけでなく、あごを前方に押し出す環境を作りだしてしまい、成長過程に悪影響を及ぼす可能性もあります。
上記以外にも、口呼吸となる原因として、
・アデノイド(咽頭扁桃)がとても肥大している
⇒ 肥大が続くことで鼻呼吸が難しくなり、口呼吸を招きます。この際は、特殊であるため、耳鼻咽喉科の先生との連携が必要不可欠となります。
・骨格的に上下のあごがかみこんでいない
⇒ 舌が前方にでていることに関係なく、骨格的に上下のあごが開いている場合もあります。そのために、口呼吸が習慣化しまっている場合もあります。骨格的要因でも、治療方法は色々あるので早期に検査や診断を行うことをお勧めします。
このように口呼吸の状況は個人によって原因や対応方法もさまざまです。
具体的な対応方法については、こちらのページ(2018年12月UP予定)で解説しているので、ご興味のある方はぜひお読み下さい!